小児向け予防接種

日本とタイでは定期予防接種の種類やスケジュールが異なります。個々のご家庭ごとに出産された国も、ご渡航時期も細かくいえば千差万別ですので、患者さまお一人お一人の状況によって、小児の定期予防接種スケジュールは変わります。
しかし大きく分けると、「日本で出産され、その後タイに渡航された」、もしくは「タイで出産され、そのままタイに滞在されている」かのどちらかといえます。こちらではあくまで一般論ではありますが、日本とタイの予防接種スケジュールの違いについて説明いたします。

日本とタイの定期接種するワクチンの種類の違い

日本で行われている定期接種には、結核、ポリオ、風疹・はしか、日本脳炎などあります。タイの定期接種もほぼ同じです。違いはタイの定期接種にはB型肝炎が含まれており、逆に肺炎球菌感染症はタイの定期接種には含まれていません。DYMインターナショナルクリニックは日本の定期接種の内容を基準に実施していますが、それ以外にもインフルエンザ菌b型、肺炎球菌感染症、みずぼうそう、A型肝炎、ロタウィルス、子宮頸がんワクチンなどは任意で予防接種を受けることも可能です。外務省では、小児は日本の定期接種と任意の予防接種から水痘、おたふくかぜ、A型肝炎、B型肝炎を推薦しています。大人の方にはA型肝炎、B型肝炎、破傷風あと狂犬病、日本脳炎を推薦しています。

○日本で定期接種するがタイでは定期接種しないワクチン

・肺炎球菌感染症

※HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)に関しては、2013年6月14日に厚生労働省より定期接種の一時中止が発表されております。

○タイで定期接種するが日本では定期接種しないワクチン

B型肝炎

タイと日本の小児の定期予防接種スケジュールの違い

日本の小児むけ定期予防接種のスケジュール(一例)

予防接種 スケジュール
結核 ①:生後5ヶ月から8ヶ月
インフルエンザ菌b型 ①:2ヶ月
②:3ヶ月
③:4ヶ月
④:12ヶ月から17ヶ月
三種混合(DPT) ①:3ヶ月
②:4ヶ月
③:5ヶ月から11ヶ月
④:12ヶ月から23ヶ月
(⑤:2歳から7.5歳までに追加接種)
ポリオ ①:3ヶ月
②:4ヶ月
③:5ヶ月から11ヶ月
風疹・はしか ①:12ヶ月から23ヶ月
②:5年から6年
おたふくかぜ ①:12ヶ月から15ヶ月
②:5年から6年
日本脳炎 ①②:3年
③:4年
④:9-12歳
肺炎球菌感染症 ①:2ヶ月
②:3ヶ月
③:4ヶ月
④:12ヶ月から15ヶ月
水痘(任) ①:12ヶ月から15ヶ月
②:18ヶ月から23ヶ月
A型肝炎(任) 12ヶ月から2-4週間で2回、6ヵ月後に3回目
B型肝炎(任) ①:2ヶ月
②:3ヶ月
③:7ヶ月から8ヶ月
ロタウィルス(任) ①:2ヶ月
②:3ヶ月
③:4ヶ月
HPVワクチン(※1)
インフルエンザ ①②:生後6ヶ月から12歳まで
③:13歳~

※丸囲み数字(①、②など)は、接種の回数を示しています。
※(任)…任意での接種です。
※(DPT)…ジフテリア・百日咳・破傷風の三種混合です。
※1…子宮頸がんワクチンは平成25年6月14日付けの厚生労働省勧告により、接種の推奨を中止しています。

タイの小児むけ定期予防接種のスケジュール

予防接種 スケジュール
結核 ①:生誕※2
インフルエンザ菌b型 ①:2ヶ月
②:4ヶ月
③:6ヶ月
④:18ヶ月
三種混合(DPT) ①:2ヶ月
②:4ヶ月
③:6ヶ月
④:18ヶ月
Tdap:4年
Tdap:10-16年※3
ポリオ ①:2ヶ月
②:4ヶ月
③:6ヶ月
④:18ヶ月
⑤:4-6年
風疹・はしか・おたふくかぜ ①:9ヶ月から17ヶ月
②:2年から4年
おたふくかぜ ①:12ヶ月から15ヶ月
②:5年から6年
日本脳炎 1歳1ヶ月から 3-12ヶ月間隔で2回接種
肺炎球菌感染症 ①:2ヶ月
②:4ヶ月
③:6ヶ月
④:12ヶ月から18ヶ月
水痘(任) ①:12ヶ月
②:4年から6年
A型肝炎(任) 13ヶ月から 6-12ヶ月間隔で2回
B型肝炎(任) ①:生誕※2
②:1ヶ月から3ヶ月
③:6ヶ月
ロタウィルス(任) ①:2ヶ月
②:4ヶ月
③:6ヶ月
HPVワクチン 10−16年※4
インフルエンザ 生後6ヶ月から 年に1回

※丸囲み数字(①、②など)は、接種の回数を示しています。
※(任)…任意での接種です。
※(DPT)…ジフテリア・百日咳・破傷風の三種混合です。
※2…タイでは結核とB型肝炎のワクチンを基本的には生誕したその日、遅くとも3日以内に接種します。
※3…以後10年間隔で追加接種。
※4…1-6ヶ月間隔で3回接種

こちらのスケジュール表は一般的なものになります。先に述べた通り『タイで出産されてタイに住まれているお子様』と『日本で出産されてからタイへ来られたお子様』ではスケジュールも違いますし、個人でも違ってきます。スケジュールのご相談下さい。

タイで小児向け予防接種を受ける際の注意したいこと
信頼できる医師を探すこと

まず大前提として信頼できる医師を探すことがもっとも重要です。タイでは医師免許取得後に最低でも3年間、研修や実習を受けないと小児科医を名乗ることが出来ません。そのため、いわゆる日本の一般開業医で、専門ではないながらも小児科を診ている医師に比べ、平均的な知識、経験は豊富といえます。

しかし、気をつけないといけないのは、『タイの予防接種には詳しいが、日本の予防接種に詳しくない医師もいる』ということです。特に日本で出産され、その後タイに渡航された場合には日本でもいくつか定期予防接種を受けている人が大多数です。そういった場合、日本の定期予防接種で使われるワクチンや、スケジュールについても理解がないと適切なスケジュールは組めません。

当院では勤務するすべての小児科医に、日本の定期予防接種スケジュールを理解してもらい、様々なケースに対応できるようシミュレーションをしておりますので、ご安心ください。

次回の『接種時期』をきちんとメモする。

タイでは日本のような集団予防接種は行いません。個別にご家族が医師と話し合い、接種スケジュールを決める必要があります。そのため、これといった正解があるわけではないため、きちんとスケジュールを覚えて一つずつ確実に接種していく必要があります。個別の予約票ですと紛失する可能性がありますので、きちんと母子手帳に挟んで管理しましょう。