A型肝炎

肝炎とは、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が壊される病気です。その90%はウイルスの感染によって引き起こされます。日本では症状のでない人も含めると100人に1人から2人は肝炎ウイルスに感染しているといわれており、決して珍しい疾病ではありません。

A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。B型およびC型肝炎と比べると慢性化することは稀です。感染症法では4類に分類されています。
A型肝炎は主に糞便中に排泄され、飲料や食べ物を介して経口感染するため、患者の発生数は衛生環境に影響されます。日本では下水道の整備により発生数は激減しており、50歳以下ではほとんど見られませんが、発展途上国を中心に世界中で年間140万人程度の患者が発生していると推計されます。

A型肝炎ウイルスの感染源

A型肝炎ウイルスは前述の通り、汚染された食べ物や飲料などを介した経口感染です。国立感染症研究所の発表によると、その発生源の約75%は飲料や食べ物で、そのうち約20%がカキであることが分っています。
過去には、貝類による集団感染もありました。性交渉時に感染することもあります。

接種を推奨されている国

米国、カナダ、北欧、西欧、オーストラリア、ニュージーランド以外の世界全地域に渡っており、特に南、東南、東アジア地域、サハラ砂漠以南のアフリカ地域、中南米地域

A型肝炎ウイルスの症状

A型肝炎ウイルスの潜伏期間や2週間~7週間で、潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。潜伏期間が長いため、旅行から帰国後数週間経ってから発症することもあります。また成人は小児よりも症状が現れやすく、高齢者では重症度や死亡率が高まります。

A型肝炎ウイルスの治療や予防

基本的に急性期には入院し安静にしている必要があります。入院中は定期的に血液検査を行い、重症化、劇症化などの有無を観察し、体内に抗体ができるのを待ちます。予防としては、手洗いの徹底など一般的な予防法に加え、ワクチンを用いた積極的予防法が推奨されます。

予防接種は日本とタイでは使用するワクチンも、効果が期待できる期間も異なります。

■日本で使われるワクチン

・接種回数:計3回

・接種頻度:初回、2~4週間後、6~12ヵ月後

・抗体持続期間:5年間(3回接種後)

・良く使われるワクチン:エイムゲン(製造:化血研、販売元:アステラス製薬)

■タイで使われるワクチン

・接種回数:1回もしくは2回

・接種頻度:下記のいずれかを選択

 一回投与法…初回のみ

 二回投与法…初回、6~12ヶ月後

・良く使われるワクチン:Havrix1440(GlaxoSmithkline社)

<<日本(エイムゲン)とタイ(Havrix)の接種回数やスケジュールの違い>>

・接種回数、スケジュール共に同じです。

予防方法

衛生状態の悪いところでは、生水、氷、生肉、生野菜などにウイルスが付着している可能性があります。ミネラルウォーターや一度沸騰させた水、加熱調 理してあるものを選びましょう。また、カットフルーツでは、洗った水が汚染されていることがあるので、食べるならば自分の手で剥く果物の方が安全です。十分に加熱処理された飲食物を摂取しましょう

A型肝炎&B型肝炎混合ワクチンに関して

日本国内では未承認ですが、海外では広く使われているTwinrixを紹介いたします。TwinrixはGlaxo Smith Kline社製のワクチンでA型肝炎、B型肝炎混合ワクチンです。

■A型肝炎&B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)の詳細

・接種回数:計3回

・接種頻度:初回、4週間後、6ヵ月後

・抗体持続期間:15年~20年間

DYMクリニックはタイのバンコクに2店舗(プロンポン、トンロー)を構える日本人医師経営の医療機関。
内科、小児科、婦人科、皮膚科の診療を完全日本語対応で受診可能。

・予防接種(インフルエンザワクチンなど)
・健康診断(人間ドック、ワークパミット取得用)
・ビタミン点滴
・飲む日焼け止め薬
・小児相談
・PCR検査
・生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、痛風)のお薬の処方
・婦人科健診
etc...