狂犬病

タイに赴任した人なら一度はその名前を耳にする『狂犬病』、その名のとおり狂犬病ウイルスの感染よって起こる病気です。日本では1950年代を最後に犬での発症は途絶えてますが、労働省の発表によると今でも中東やアジアを中心とした島国では現在でも年間数千人を越す狂犬病の感染者がいる国も存在します。

感染経路

その感染経路は犬に留まらず、すべての哺乳類にまで及び、発症した動物に咬まれることで人にも伝搬します。発症するのは感染した哺乳類に咬まれた人の約30%-60%です。

その後の潜伏期間は個人差が大きく、ほんの数日で発症する人もいれば、数年後にほとんど自覚症状もない状態から発症するケースもあります。

一度発症したらその致死率は99%と言われており、治療法は存在しないため、必ず予防接種がすべき病気です。(※仮に咬まれる前に予防接種していても、咬まれた後にも追加の接種が必要です。)

狂犬病に感染した動物の見分け方

下記のいずれかが当てはまる哺乳類には近づかないようにしましょう。

●極端な興奮状態になる 【狂騒型】

●攻撃的になる 【狂騒型】

●体中が麻痺 【麻痺型】

●食べ物や水が飲み込めない 【麻痺型】

狂犬病と聞くと狂ったような動きを想像しがちですが、一概には言えません。麻痺型といって逆に神経が麻痺して、水を怖がったり食べ物を飲めなくなる症状が出ることもあります。

注意が必要な動物

●犬

●猫

●キツネ

●アライグマ

●スカンク

●コウモリ

●マングース

日本の国産ワクチンと海外製ワクチン(VERORAB)の接種回数やスケジュールの違い

日本における狂犬病のワクチンは、国産ワクチンと輸入ワクチンの2種類のワクチンが使用されています。

国産のワクチンの長所は、日本国内においては一般に広く流通していることから、手に入りやすいこと、安価であること、副反応が生じた場合、医薬品副作用被害者救済制度が利用できるこなどが挙げられます。

短所としては抗体ができるとされる3回接種終了までの期間が長いため、海外赴任前の接種では3回の接種を完了することができないことが挙げられます。加えて海外では流通していないワクチンであるため、3回目の接種は日本に帰国した際にしかできないという不便があります(帰国できない場合は、輸入ワクチンの初回からの接種となります)。

一方、輸入ワクチンの長所は、世界標準のワクチンであるため、赴任先がどこであれ多くの国で、同様のワクチンを手に入れるいことができます。したがって当初、日本で予定していた通りのスケジュールで接種し、抗体を得る効果が期待できます。最短で21で必要な接種回数を終えることができるため、赴任前に多少の時間的余裕のある方は、接種を完了することができるという利点もあります。

短所としては日本国内では、国産ワクチンに比べて高価であること、医薬品副作用被害者救済制度が利用できない可能性があること、が挙げられます。

上記のことから、国産ワクチンを接種する場合は、3回目の接種時(初回接種から1年後)に日本に帰国する可能性があるかどうかが判断のひとつの目安となります。

よくある狂犬病、狂犬病ワクチンのQ&A

Q1.予防接種をすれば感染することはありませんか?

予防接種をして抗体がついても確実には予防できません。暴露前(咬まれる前)の予防接種では一旦抗体がついても時間の経過とともに徐々に免疫は薄れていきますので、もし予防接種をしていても咬まれた場合には、必ず咬まれた後(暴露後)の追加接種が必要となります。

Q2.犬に咬まれました。暴露後接種はいつから始めればいいですか?

犬に咬まれた場合には予防接種をしていても、していなくても、またその咬まれた深さに関わらず少しでも早く必ず医療機関を受診してください。日本では暴露後のワクチン接種は24時間以内に接種することで望ましいと言われております。(タイ国内では72時間、3日以内の接種を推奨されています。)

Q3.狂犬病にかかっているかどうかを調べる方法はありますか?

現在狂犬病に感染しているかどうかを調べる検査方法はありません。ただし咬んだ動物が特定でき、またその後の経過を観察できる場合には、その動物が狂犬病に感染した可能性を調べることが可能です。