百日咳に対する原因・症状・対処について解説！

百日咳（ひゃくにちぜき）は、激しい咳を特徴とする感染症であり、特に乳幼児にとっては命に関わることもある病気です。本ページでは、原因、症状、病例、処置などについて詳しく解説します。

百日咳の主な原因

百日咳の主な原因は、細菌感染です。以下にその詳細を挙げます。

百日咳菌（Bordetella pertussis）

百日咳の主因菌で、感染力が非常に強い細菌です。飛沫感染や接触感染によって他者に広がります。百日咳菌に感染すると、7日〜10日の潜伏期間を経て発症します。初めは軽い風邪に似た症状ですが、徐々に激しい咳発作が出るのが特徴です。

ワクチン未接種

百日咳ワクチン（DPTワクチン）を接種していない乳幼児が特に感染しやすい状況です。感染力は麻疹ウイルスと同程度と非常に強く、ワクチン未接種の乳幼児は菌が混じった飛沫に触れた場合90％前後の高い確率で感染するといわれています。

免疫低下

免疫力が低下した高齢者や基礎疾患のある人も感染リスクが高まります。

感染者との接触

百日咳は咳やくしゃみなどを通じて容易に広がります。家族内感染もよく見られるケースです。

百日咳の主な症状

実際に見られる百日咳のケースをいくつか紹介します。

乳児の重症例

生後3カ月の赤ちゃんが激しい咳と嘔吐で入院。ワクチン未接種のため重症化し、集中治療が必要になりました。

学童期の再感染

小学校低学年の児童が風邪のような症状から始まり、咳が悪化し感染の診断が出されました。家庭内感染の可能性が疑われた例です。

高齢者の長引く咳

ワクチン接種歴が不明の70代男性が、3週間以上続く咳を訴えて来院。来院し、検査の結果百日咳と診断されました。

職場内感染

保育士が乳幼児から感染し、同僚に広がったケース。感染源の特定が困難な例もあります。

百日咳の主な処置

場合によっては重症化する可能性もある百日咳の治療と予防には、適切な処置が重要です。

抗菌薬の投与

エリスロマイシンやアジスロマイシンなどの抗菌薬が有効です。エリスロマイシンは、生後6カ月以上でないと投与できません。新生児が感染した場合は、アジスロマイシンを投与します。早期に治療を開始することで症状の進行を抑えられます。

ワクチン接

DPT（ジフテリア・百日咳・破傷風）ワクチンは、最も効果的な予防策です。子どもの定期接種スケジュールに従いましょう。

隔離

感染力が強いため、発症後の患者は可能な限り隔離しましょう。他者との接触を断つことで感染拡大を防ぎます。

家庭でのケア

十分な休養と水分補給を行い、喉の負担を軽減します。また、湿度を保つことで症状の緩和に役立ちます。

医師への早期相談

咳が長引く場合は、早めに医師を受診しましょう。特に乳幼児の場合は重症化しやすいため、放置せず迅速な対応が必要です。

まとめ

百日咳は、感染力が強く特に乳幼児や高齢者にとって危険な病気です。しかし、ワクチン接種や早期治療により予防・早期回復できます。自分や周囲の人々の健康を守るために、適切な知識を持って迅速に行動しましょう。

おまけ

最後に、百日咳に関する豆知識をいくつか紹介します。

「百日咳」という名前の由来

症状が数カ月間続くことが多いため、「百日（約3カ月）」の咳と呼ばれています。

大人も感染する？

免疫が低下すると大人でも再感染することがあるため、うがい手洗いでしっかり予防しましょう。特に乳幼児と接する機会が多い人は注意が必要です。日本では、大人を対象とした百日咳のワクチン接種は基本的に行われていません。ただし、妊婦や小さい子どもがいる家庭では、感染が広がらないよう摂取することがあります。

ワクチンの持続期間

ワクチン接種による免疫は永続的ではなく、約10年で効果が薄れるため、追加接種（ブースター）が推奨されています。

環境の整備

加湿器や空気清浄機を使って室内環境を整えることで、喉への刺激を軽減できます。

百日咳の正しい知識を持つことは、自身と周囲の健康を守る第一歩です。早めの予防と対応を心がけましょう！